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美の追究

「絵画や彫刻の良さなんて、見る側が勝手に解釈すればいい」

という意見があるけれども、美学的にいうとそうではない。

美学でいう「美の追究」とは、
「人間の中に普遍的に存在するものを探し出す」ということなのだ。

もうちょっと噛み砕いていうと、
「多くの人が心動かされるものとは何なのか、についてよーく考える」ということ。

ダ・ヴィンチの「モナリザ」を見て、「なんじゃこりゃ」と思うのはもちろん自由だけれども、
「あなたはともかく、多くの人々が心動かされた」ということは、揺るぎない事実なのである。
その、「多くの人々の心を動かしたもの」は、いったいなんなのか。

「心が動く」とは、モナリザが美人であるとか、そういうこととは違うからまたややこしい。
事実、今秋話題になったフェルメールの「ワイングラスを持つ娘」は、
二人の男性に言い寄られるほど美人とも思えない。むしろリスザルに似ている。(大きなお世話)
それでも、この作品が名画とされるには、「何か」があるからなのだ。

その「何か」を追究するのが美学である。

我々が美男美女に心惹かれるのはただ、
その滅多にない目鼻立ちのバランスに対して”うわーっ、カンペキだねー!”と「心動かされる」から、
……だけなのであって、その人の人格全体に対してではないことは薄々誰もが感づいている。

つまり、美男美女でないからといって、がっかりすることはないのだ。

シロート写真やメール一通はもちろん、日々の言動において「人の心を動かす」ことができれば、それらは美といえる。

******

それからいうと、茂木さんのいうように、
最近の作品は美的というより、「ぶっ飛び度」が評価されている「スカばっか」かも知れない。

”いいなぁ…なんだろう、この感覚”

という説明のつかない高揚感を多くの人に与える作品、というよりは、
「へー、これがそんなに高値でねぇ…」という、話題性が先行しているようにも思う。

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