スウェーデン王立科学アカデミーは7日、
2008年のノーベル物理学賞を、
米国籍で日本人の南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授(87)、
日本学術振興会の小林誠理事(64)、
京都産業大学の益川敏英教授(68)の3氏に贈ると発表した。
授賞理由は、南部氏が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、
小林、益川氏が「クォークの世代数を予言する対称性の破れの起源の発見」。
(2008年10月7日21時54分 読売新聞)
たいていの一般人にとっては、
「へー、よくわからないけど、ノーベル賞を受賞するくらいなんだから、すごいことなんだろう」
という程度のまま、受賞のニュースはホトボリが冷めてしまった。
しかし、本来、「すごいからノーベル賞を受賞した」のだ。
じゃ、いったい何がそれほど「すごい」のか。
ひとくちにいうと、
「エネルギー保存の法則」とか、
「質量保存の法則」「運動量保存の法則」といった、
親の代から教科書に載っていたような物理法則すべてが、
「スイマセン、ちょっと違ってました、あはっ(笑)」
となってしまうくらい、すごいことらしい。
では、受賞理由になっている「対称性の破れ」とはなんぞや?
この宇宙が対象性に支配されているということは、
宇宙が全方向に対して、等質の広がりを持っているということを意味している。
この宇宙のどこにも特別な空間はなく、
空間はすべて質的に同じということである。
質的に同じとはどういうことかといえば、
あらゆる物理法則が、同じように成り立つということである。
異質な空間はないということである。
これが、近代科学の基礎をなす考え方である。(本文から)
つまり、「対称性の破れ」とは、上記とは反対なので、
異質な空間が存在する、ということになり、
そして、その非対称性ゆえに、我々が存在しうるらしいのだ。
「我々にとって幸せなことに、宇宙は対称的にはできていない。
少なくとも原子より小さいレベルにおいては、
対称的にはできていない。
もし宇宙が対称的にできていたら、宇宙の創成とともに生まれた物質は、
物質と同時にそれと等量だけ生まれた反物質と作用しあって、
すべてが消失し、何も残らなかったにちがいない。
しかし、現実に起きたことはそうではなかった。
ほんのちょっとした対称性の破れがあったために、
生成された物質と反物質の間にほんのちょっとした量のちがいがあった。
そのため物質がほんのわずかだけ消滅しないで生き残ることができた。
いまこの世にある存在のすべては、
その宇宙創成時の対象性の破れから生まれた『生き残り物質』の子孫なのである」
(本文中に引用された「受賞理由の説明書」から)
ウーン…やっぱりすごいぢゃないか。
偶然たまたま物理法則が「破れ」ていたために、生き残った物質の生き残りの子孫(=人類)が、
こうして祖先の成り立ちを突き止めたってことだね。
映画「ターミネーター」で未来のジョン・コナーによって、
過去の地球に送り込まれた兵士が自分の父さんになっちゃうより、
時系列である分わかりやすいけど(レベル違いすぎ!)、
途方もない偶然の産物が、
さらに偶然に次ぐ偶然の進化を遂げて、
宇宙だの、脳内物質だの、ミクロだの、マクロだの、
あれこれあれこれ研究してるなんて、
いやもう、ここまでくると、物理っていうより、
ほとんど哲学的になってきましたね(笑)
(つづく)
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